パニック障害による障害年金の受給は一般的に難しいとされますが、個々の症状や状況に応じて受給の可能性はあります。適切な医療証明書と丁寧な申請書の準備が不可欠です。
今回は、パニック障害による障害年金申請の際の重要なポイント、認定基準、注意すべき事項についてご説明します。
パニック障害で障害年金はもらえない?受給が難しい理由について
パニック障害を抱えている方が障害年金を受給することは、一般的には難しいとされています。ですが状況によっては可能性があります。なぜ難しいのか?ここでは、その認定の難しさについて詳しく解説します。
原則的な対象外
パニック障害は、障害年金の認定対象となることが少ないです。これは、パニック障害が神経症の範疇に入り、障害年金の基準を満たしにくいためです。
例外的な認定の場合
しかし、パニック障害が重度である場合や、他の精神障害(例えばうつ病など)を併発している場合、または精神病と同等の症状がある場合には、例外的に障害年金の認定対象となる可能性がありま
審査の厳しさ
パニック障害で障害年金を受給するには、症状の重度さや日常生活への影響度を詳細に示す必要があります。これには、医師の詳細な診断書や治療記録が不可欠です。
申請プロセスの重要性
申請プロセスにおいては、病歴や症状の具体的な記述が重要です。申請書類の正確さと詳細さが、審査に大きな影響を与えます。
パニック障害で障害年金を受給できる要件について
パニック障害を抱える人々が障害年金を受給するためには、特定の条件を満たす必要があります。以下では、パニック障害で障害年金を受給するための要件と、精神病の病態を示す重要性について詳しく解説します。
精神病の病態を示していること
パニック障害が精神病の病態を示している場合、障害年金の認定対象となる可能性があります。これには、統合失調症や持続性気分障害に準じる症状が必要です。
うつ病など他の精神疾患を併発している場合、パニック障害が障害年金の対象となる可能性が高まります。これは、複数の精神疾患が障害年金の基準に適合する可能性があるためです。 実際にパニック障害で障害年金を受給した事例もあります。これらの事例では、パニック障害の重度さや日常生活への影響が評価されました。
障害認定日に法令に定める障害の状態にあること
パニック障害による障害年金の受給は障害認定日に法令に定められた障害の状態にあることが重要なポイントとなります。
障害年金を受給するためには、障害認定日に公的年金に加入しており、病気や怪我で一定の障害状態にある必要があります。
初診日が特定できること
パニック障害で障害年金を受給するためには、初診日の特定も重要なポイントです。
パニック障害の場合、障害年金を受給するためには、症状が始まり初めて病院を受診した日、すなわち「初診日」を特定できることが必要です。障害年金の申請において、初診日は障害の認定における基準日となります。この日から一定期間が経過していることが、障害認定のための基本条件となるため、正確な日付の特定が重要です。
保険料納付済期間が3分の2以上あること
パニック障害で障害年金を受給するためには、保険料の納付済期間が3分の2以上あることも重要です。障害年金を受給するためには、初診日の属する月の前々月までの公的年金制度に加入すべき全期間のうち、その3分の2以上の期間が保険料納付済みか免除済であることが必要とされています。保険料納付要件を満たすためには、加入期間中の保険料の納付状況を確認する必要があります。これには、保険料の納付済み期間と免除期間が含まれます。
弊社で実際にいただいた相談事例 パニック障害では障害年金はもらえないと聞いたのですが本当ですか?
質問
私は、現在パニック障害を患っていて病院に通院しているのですが、障害年金についてかかりつけの医師に相談したところ、「パニック障害で障害年金を受給することは難しい。」と言われ、診断書を書いてもらえませんでした。
パニック障害では障害年金はもらえないというのは本当ですか?
答え
パニック障害を初めとして不安障害や自律神経失調症などの神経症は、原則として障害年金の対象とはなりません。
ただし、臨床症状から判断して、精神病の病態を示しているものについては、統合失調症または、躁鬱病に準じて取り扱うものとされています。
精神障害を併発していないか、よく主治医の先生に確認する必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
パニック障害は原則的には障害年金の認定対象外になることが多いですが、うつ病などの精神病を併発していたり、精神病と同じ症状があると判断されれば、障害年金を受給できる可能性があります. 申請の手続きが難しい場合は、障害年金を専門としている社会保険労務士に相談するのが得策です。
当センターではパニック障害の障害年金のご相談も受けておりますのでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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小野 勝俊
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