障害年金と遺族年金は、予期せぬ事態に直面した際に、生計を支えるための公的支援制度です。これらの年金に関して、受給資格、申請方法、受給額、そして受給期間など徹底解説します。
また、当センターに寄せられた実際の質問などもご紹介いたします。
障害年金とは?
障害年金は、病気やけがによって日常生活や仕事に大きな影響が出た場合に、支援として提供される公的年金制度です。この制度は、生活や仕事が制限されるようになった現役世代の方々を支える目的で設けられています。
障害年金の受給要件
障害年金を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。主な条件は以下の通りです。
- 障害の原因となった病気やけがの初診日が年金加入期間中であること。
- 障害の程度が一定基準以上であること。
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、受給できる年金額や条件が異なります。障害基礎年金は、全ての国民年金加入者が対象となります。一方、障害厚生年金は、厚生年金保険の被保険者に対して支給されるものです。
対象となる病気やけが
障害年金の対象となる病気やけがは多岐にわたります。具体的には、日常生活や仕事を続けることが困難になるような重度の状態を指します。年金加入中に発症または負傷した病気やけがが原因であれば、障害年金の請求が可能です。
障害年金は、病気やけがで困難な状況にある人々の生活を支援するための大切な制度です。対象となるかどうか不安な方は、最寄りの日本年金機構に相談し、必要な手続きを進めることが重要です。
遺族年金とは?
遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が亡くなった際に、その方によって生計を維持されていた遺族へ支給される公的年金制度です。この制度は、亡くなった人の遺族が経済的な支援を受けられるように設計されています。
遺族年金には主に二つの種類があります。
遺族基礎年金
国民年金の被保険者が亡くなった場合に、遺された配偶者や子どもに支給されます。受給資格には、一定の条件があります。
遺族厚生年金
厚生年金保険の被保険者が亡くなった際に、遺された配偶者や子ども、場合によっては父母に支給されます。支給要件には、被保険者が亡くなる前に厚生年金保険の被保険者であったことなどが含まれます。
遺族年金の受給資格、受給額、対象者などは、亡くなった人の加入していた年金制度や遺族の状況によって異なります。また、受給権を有する遺族の範囲や年金額の計算方法も、具体的なケースによって変わる可能性があります。
遺族年金は、亡くなった方が加入していた年金制度に基づいて、生活を支えるための重要な財政支援です。そのため、適切な手続きを通じて遺族年金を申請し、受給することが、亡くなった方の遺族にとって非常に重要です。
実際にいただいた相談事例 障害年金以外にも老齢年金や遺族年金の受給権がある場合について
質問
私は現在、45歳で夫を交通事故で亡くしてしまい現在、遺族厚生年金を受け取っております。
夫を早くに亡くなってしまった事がショックで、また子育てによるストレスも重なってうつ病を発症してしまい障害年金を申請した結果、2級の障害基礎年金を受けとることになりましたが、遺族厚生年金と障害基礎年金の2つの年金を同時に受け取ることは可能でしょうか?
また、私が65歳になった場合に併せて老齢基礎年金も受け取ることはできますか?
答え
現在のご年齢では、「遺族厚生年金」と「障害基礎年金」の2つの年金を同時に難しく65歳になるまでは「遺族厚生年金」又は「障害基礎年金」のどちらか一方の年金を選択して受け取ることになります。しかしながら65歳になれば「障害基礎年金と遺族厚生年金」若しくは「老齢基礎年金と遺族厚生年金」を併せて受け取ることが可能になります。
また現在の法制度上、65歳になったとしても「老齢基礎年金」と「障害基礎年金」は併せて受け取ることはできません。
このような場合には、老齢年金、障害年金、遺族年金とそれぞれ受け取る金額が異なってきますので、一番多い金額を受け取ることが可能な組合せを選択される方が多く、もし悩まれた際には社会保険労務士若しくは最寄りの年金事務所にご相談されることをお勧めいたします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
障害年金と遺族年金は、困難な時に大きな支えとなり得る制度です。これらの制度について正確な情報を知り、必要な場合には適切に申請することが重要です。詳細については、公的な情報源を参照し、必要なサポートを受けてください。
当センターでは遺族年金や老齢年金のご相談も受けておりますのでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
障害年金Q&A
こちらでは障害年金について主なQ&Aを掲載しています。
それぞれ気になる項目がございましたらご覧になって下さい。
- 障害年金の加算額対象の子の障害ついて
- 配偶者加給年金額対象者の異動について
- 障害年金の受給権者が死亡した場合について
- 障害年金と遺族年金について
- 障害年金の金額について
- パニック障害では障害年金はもらえないと聞いたのですが本当ですか?
- 健康保険の傷病手当金と障害年金の関係について
- 障害年金の受給は会社に知られてしまいますか?
- 傷病が複数あるときの請求について
- 「受診状況等証明書」の取得について
- 障害年金の支払いについて
- 業務上の障害が原因による障害年金について
- 子の加算額対象者が不該当になる場合について
- 配偶者加給年金額対象者が不該当になる場合について
- 初診日ついて
- 障害者手帳と障害者年金との関係
- 障害の状態が変わった時について
- 2つ以上の障害の状態になった時について
- 障害年金の受給期間について
- 保険料の納付要件について
- 障害年金以外にも老齢年金や遺族年金の受給権がある場合ついて
- 20歳前の傷病による障害について(社会保険制度 未加入の場合)
- 障害手当金が受け取れない場合について
- 20歳前の傷病による障害について(厚生年金保険 加入中の場合)
- 就労と障害年金
- 「受診状況等証明」に代わる参考資料について
- 診断書の現症年月日と必要枚数について
- 「年金受給権者現況届」について
- 障害年金の加算額の変更ついて
- 20歳前の傷病による障害等の収入限度額について
- 65歳を過ぎてからの申請について
- 医師から障害年金の申請は難しいと言われた場合
小野 勝俊
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