【2025年版】障害年金を受け取るメリットや注意点についてわかりやすく解説!

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事に支障をきたした際に受けられる公的な支援制度です。しかし、その重要性や具体的なメリット、注意点について、十分に理解されていない方も多いのではないでしょうか。本記事では、障害年金を受給することによる具体的なメリットや注意点をわかりやすく解説していきます。ぜひ最後までお読みください。

障害年金とは?

障害年金は、国が提供する公的な年金制度の一部で、病気やけがなどによって働くことや日常生活に支障が出た場合に、経済的な支援を受けることができる制度です。この年金は、日本国内で公的年金(厚生年金や国民年金)に加入しているすべての人が対象となり、一定の条件を満たすことで受給資格が得られます。

障害年金には大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、それぞれ支給額や対象者が異なります。たとえば、国民年金に加入している人には障害基礎年金が適用され、厚生年金に加入している人には、障害基礎年金に加えて障害厚生年金も支給される場合があります。

また、障害の程度に応じて年金額が変わる仕組みも特徴のひとつです。障害等級1級から3級までが設定されており、それぞれの等級に応じた金額が支給されます。さらに、家族がいる場合には加算が受けられる場合もあり、受給者やその家族の生活を幅広く支援する仕組みが整えられています。

このように、障害年金は働くことが難しくなった場合の大切なセーフティネットとなる制度であり、申請を通じて多くの方が安心して生活を送るための基盤を得ています。

障害年金を受給する6つのメリットについて

経済的な不安が軽減される

障害年金の最大のメリットは、生活に必要な経済的基盤を確保できる点です。病気やけがによって仕事ができなくなったり収入が大幅に減少したりすると、日々の生活費や医療費の負担が重くのしかかります。障害年金は、そのような状況でも安定した収入を提供し、生活の質を維持する手助けとなります。

また、障害等級に応じた年金額が支給されるため、特に重度の障害を抱える方にとっては、大きな助けとなること間違いありません。家族がいる場合には加算が適用されることもあり、受給者だけでなく家族全体の生活を支える仕組みも整っています。

働きながら受け取ることができる

働いている場合でも一定の条件を満たせば、障害年金を受給することができます。この仕組みは、障害を抱えながらも社会で活躍したいと考える人にとって大きなメリットです。多くの福祉制度では「収入制限」が設けられていることが多いですが、障害年金はその制限が緩やかであるため、就労と受給の両立が可能です。

例えば、パートタイムや短時間勤務などで収入が不安定な場合でも、障害年金が収入を補填する形で支援してくれます。これにより、仕事を続ける意欲を保ちながら生活の安定を図ることができます。

使い道が限定されていない

障害年金は、受け取ったお金の使い道に制限がありません。医療費や生活費、住宅ローンの支払い、教育費など、必要に応じて自由に利用することができます。一般的な福祉制度の中には、使い道が限定されているものもありますが、障害年金はこうした制約がないため、自分や家族にとって最も必要な形で活用できるのが特徴です。

自由度の高い支給形式は、受給者が自分の生活状況に応じた適切な判断を下すことを可能にし、ストレスなく制度を利用することにつながります。

税金がかからないため、原則として確定申告は不要

障害年金は非課税扱いとなるため、原則として所得税や住民税が課されません。このため、確定申告の必要がないケースがほとんどです。通常の給与収入や事業所得と異なり、税金の負担を気にせずに受け取れる点は、受給者にとって非常に大きなメリットです。

さらに、税制上の優遇措置が適用されることにより、他の収入と合わせても総合的な税負担が軽減される場合があります。この非課税の仕組みは、障害年金を受給している人の生活をより支えやすくする重要な要素です。

障害等級1級、2級の受給者は、申請によって国民年金保険料が全額免除される(法定免除)

障害年金を受給している期間中は、国民年金保険料の支払いが法定免除となります。この免除は、経済的な負担を軽減するだけでなく、将来的な老齢年金の受給資格にも影響を与えない仕組みが整えられています。つまり、保険料を支払わなくても年金の加入期間として計算されるため、老後の年金受給にも支障が出ないのです。

20歳以降の障害には所得制限がない

障害年金は、20歳以降に発生した障害については所得制限が設けられていません(※)。これは、就労して収入を得ている場合でも、障害年金を受給することが可能であることを意味します。この仕組みは、障害を抱えながらも自立した生活を目指す人々にとって大きな安心材料となります。

多くの福祉制度では、一定の収入を超えると給付が停止されるケースがありますが、障害年金はそのような制限がないため、仕事に励みながらも安定した支援を受け続けることができます。

※20歳以降の障害に関しては所得制限がありませんが、配偶者や子供の加給年金(加給年金の受給条件は、配偶者または子どもの収入が、年収850万円未満または所得が655万5千円未満)には所得制限があります。

障害年金を受給する際の4つの注意点について

障害年金制度の利用を検討する際には、メリットだけでなく注意点についても理解しておくことが重要です。ここでは、障害年金を受給することで考慮すべき4つの注意点について詳しく解説します。

寡婦年金や死亡一時金がもらえない

障害年金を受給すると、国民年金の他の給付制度である「寡婦年金」や「死亡一時金」を受け取ることができなくなります。これは、障害年金を受け取ることで国民年金からの給付を既に享受していると見なされるためです。

例えば、障害年金を受給している方が亡くなった場合、遺族に支給される「死亡一時金」を受け取ることはできません。また、配偶者が国民年金を支払っていた場合に支給される「寡婦年金」も同様に対象外となります。このため、将来的な家族の支援に影響が出る可能性があります。

これらの制度は障害年金と併給することができないため、自分や家族のライフプランを考える際には、この点を考慮しておく必要があります。

法定免除を申請した場合は、65歳以降に支給される老齢基礎年金が低額になる

障害年金を受給している間、国民年金保険料の支払いが法定免除となる点はメリットでもありますが、この免除期間は「保険料を納付した期間」とはみなされません。その結果、65歳以降に支給される老齢基礎年金が通常よりも少ない金額になる場合があります。

具体的には、老齢基礎年金の支給額は、納付済みの保険料に基づいて計算されるため、法定免除期間が長ければ長いほど、老齢基礎年金の受給額に影響が出る可能性があります。障害年金は一生涯にわたって受給できる制度ですが、高齢期の生活設計においてこの点をしっかり理解しておくことが大切です。

扶養から外れる可能性がある

障害年金を受給することで、家族の扶養から外れる可能性がある点も注意が必要です。障害年金は非課税所得として扱われますが、収入として計上されるため、家族の扶養控除の条件を満たさなくなる場合があります(※)。

扶養から外れることで、健康保険や税金に関する負担が増える可能性があります。たとえば、家族の健康保険に扶養されている場合、障害年金の受給によって扶養条件を超えると、自分で国民健康保険に加入しなければならなくなる場合があります。この結果、受給した年金の一部がこれらの負担に回ることになり、手元に残る金額が減少する可能性があります。

※社会保険上の扶養の扱いとして、障害年金と他の収入を合わせて年180万円以上となる場合には、健康保険や厚生年金の被扶養者から外れます。

他の制度の支給額が調整される可能性がある

障害年金は、公的年金制度に基づく支援ですが、所得や収入として扱われることがあるため、特定の条件下で他の制度の給付額が調整される場合があります。以下に、主な影響を受ける可能性のある4つの制度を詳しく解説します。

傷病手当金

傷病手当金は、健康保険に加入している人が病気やけがで働けなくなった場合に支給される制度です。ただし、傷病手当金と障害年金の両方を同時に受け取ることはできません。同一の傷病を理由として申請した場合、どちらか一方しか支給されない仕組みになっています。

例えば、障害年金の支給が決定した場合、それ以降は傷病手当金の支給が停止される可能性があります。一方で、障害年金のほうが継続的な給付であり、傷病手当金よりも長期的にメリットがある場合が多いため、選択の際には総合的な視点で判断する必要があります。

生活保護費

障害年金を受給すると、生活保護の支給額が引き下げられる場合があります。生活保護は最低限の生活を保障する制度であるため、障害年金が収入として計算されることで、生活保護の補助額が調整される仕組みです。具体的には、障害年金の支給額が生活保護の基準額を超える場合、生活保護費の支給が停止されることもあります。障害年金を受給することで生活保護が不要になるケースもありますが、逆に障害年金だけでは生活費が不足する場合には、他の支援策を検討する必要があります。

児童扶養手当

児童扶養手当は、ひとり親家庭を対象に支給される手当です。障害年金を受給する場合、その金額が収入として扱われるため、児童扶養手当の支給額が引き下げられる場合があります。

特に、障害年金の受給額が児童扶養手当の所得制限ラインを超えた場合、手当が支給停止となる可能性があります。これにより、ひとり親家庭の生活設計に影響が出ることがあるため、受給開始前に手当との兼ね合いを確認しておくことが重要です。

労災給付

労災保険による給付金を受け取っている場合、障害年金との併給が制限されるケースがあります。具体的には、労災保険から支給される年金(障害補償年金など)と障害年金の両方を受け取る場合、調整が行われる仕組みがあります。

まとめ

障害年金は、経済的なサポートだけでなく、生活の安定や精神的な安心感を提供してくれる大切な制度です。本記事では、障害年金の主なメリットや注意点について解説しましたが、この制度を正しく理解し活用することで、自分自身や家族の負担を大きく軽減することができます。申請手続きや受給要件は少し複雑に感じるかもしれませんが、専門家のサポートを活用することでスムーズに進められるケースも多いです。障害年金を有効に活用し、より前向きな日々を送るための一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

多摩・八王子障害年金相談センターでは電話やメールで相談いただくことが可能です。障害年金のことでお悩みがあればぜひお気軽にご相談ください。

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小野 勝俊

初めまして、多摩・八王子障害年金相談センターを運営する「多摩ヒューマンサポート社会保険労務士事務所」の代表 小野勝俊と申します。 当事務所に相談することで、お客様の悩みが少しでも解決するよう私が精一杯サポート致します。 障害年金を受給し、新しい未来が築くことができるように一緒に頑張っていきましょう。