【2024年最新】失業保険と障害年金は同時に受給できる?併給の条件や申請のポイントについて徹底解説!

失業保険と障害年金は、どちらも生活を支える重要な制度ですが、これらを同時に受給できるのか気になる方も多いでしょう。実は、失業保険と障害年金は併給調整が行われないため、条件を満たせば同時に受給することが可能です。しかし、併給するためにはいくつかの注意点が存在します。本記事では、失業保険と障害年金を同時に受給するための条件や手続きについて詳しく解説します。

失業手当とは?

失業手当とは、仕事を失った人が再就職までの生活費を支援するために支給される手当です。正式には「基本手当」とも呼ばれ、雇用保険に加入していた労働者が対象です。この手当は、失業中に必要な生活費を補助しながら、労働市場に戻るための再就職活動を支援する役割を果たします。

失業手当を受給するためには、失業の認定を受けることが必要です。失業とは、単に仕事がない状態ではなく、「労働の意思と能力があるのに、職業に就けない状況」であると認定されることが重要です。

失業手当の概要

失業手当は、離職後の生活を安定させるための経済的支援です。離職理由や年齢、勤続年数などに応じて、受給できる期間や金額が異なります。通常、会社都合での離職の場合は、比較的早く受給が開始される一方、自己都合での退職では一定の待機期間が設けられます。

失業手当の受給期間は、原則として雇用保険に加入していた期間に基づいて決まります。例えば、1年未満の雇用期間であれば短期間の受給となり、長期間雇用されていた場合は、より長い期間支給されることが一般的です。

「就労可能証明書」について

「就労可能証明書」は、失業手当を受けるために必要な書類の一つです。この証明書は、特に健康状態に問題がある求職者が提出する必要があります。医師の診断に基づき、求職者が一定の仕事に従事することが可能であることを証明するものです。この証明書がないと、就職活動が難しいと判断され、失業手当の支給に影響を与える可能性があります。

「就職困難者」について

「就職困難者」とは、高齢者や障害者など、年齢や健康状態、またはその他の理由により、通常の求職者よりも就職が困難であると判断される人々を指します。こうした人々に対しては、特別な配慮がなされ、通常の失業手当の受給条件よりも優遇された条件で手当が支給されることがあります。具体的には、受給できる期間が延長されることが一般的です 。

失業手当の受給要件は?

失業手当を受給するためには、いくつかの基本的な要件を満たす必要があります。まず、受給者は雇用保険に加入していることが前提です。次に、一定の期間、仕事をしており、その間に雇用保険料を支払っていたことが求められます。一般的な基準では、過去2年間のうち、通算して12か月以上雇用保険に加入していることが必要です。

また、失業手当を受給するには、「働く意思と能力」があることを示す必要があります。これは、ハローワークでの失業認定日に定期的に出向き、再就職活動を行っていることを証明することで確認されます。この認定を受けることで、失業手当が継続して支給されます 。

障害年金とは?

障害年金とは、病気やケガなどで障害を負い、日常生活や就労に支障が出た場合に、公的年金制度から支給される年金です。年金保険料を一定期間支払っていることや、障害の程度が法律で定められた基準を満たすことが条件となります。障害年金は、障害を負った方が生活を維持し、社会復帰を目指すための重要な経済的支援となる制度です。

障害年金には、2つの種類があります。1つは「障害基礎年金」で、これは国民年金に加入しているすべての人を対象にしています。もう1つは「障害厚生年金」で、厚生年金に加入しているサラリーマンや会社員などが対象となります。両方の制度に加入している場合、障害基礎年金と障害厚生年金を併せて受給することが可能です。

また、障害年金は病気や障害の状態に応じて、1級から3級までの等級が設けられており、等級に応じて支給額が異なります。1級が最も重度の障害を対象にしており、生活や介護のための費用が多く必要になるケースが想定されています。

障害年金の概要

障害年金は、障害の程度に基づいて支給され、障害基礎年金と障害厚生年金の2つの制度に分かれています。まず、障害基礎年金は、国民年金に加入しているすべての人を対象とし、障害を持つ子どもや学生、主婦などが含まれます。障害の程度が1級または2級であれば受給可能です。

一方、障害厚生年金は、会社員や公務員など厚生年金に加入している人が対象で、1級から3級までの障害の程度に応じて支給されます。また、3級未満の軽度の障害がある場合でも、労働能力の低下に応じた「障害手当金」を一時金として受け取ることができます。

障害年金は、障害の原因となった病気やケガが初めて診察された日を「初診日」として、その日が属する年金制度に基づいて決定されます。例えば、20歳の学生が病気で障害を負った場合、初診日が20歳以降であれば障害基礎年金が支給され、初診日が会社員として働いていた時期であれば障害厚生年金が支給されます。

障害年金の受給要件は?

障害年金を受給するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。まず、最も重要な要件は「初診日」です。障害の原因となった病気やケガで初めて医療機関を受診した日が、受給資格を決定する基準となります。初診日が国民年金加入中か、厚生年金加入中かによって、支給される年金の種類が決まります。

また、保険料納付要件も重要な要素です。障害年金を受給するためには、初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あることことが求められます。但し、特例として初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ納付要件は不要になっています。また、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合も、保険料納付要件は不要です。

さらに、障害の程度が法律で定められた障害等級の1級から3級に該当することが必要です。この障害等級は、日常生活や就労における支障の度合いに基づいて判定され、1級が最も重度で、日常生活の全般にわたり介護が必要な場合が該当します。2級は、日常生活において著しい支援が必要な場合、3級は就労に支障が出る程度の障害がある場合に該当します。

障害年金の支給額や支給期間は、障害等級や年金の種類によって異なります。また、障害年金は就労していても受給することが可能であり、働きながら受給できる点も大きな特徴です。働きながら障害年金を受け取ることにより、経済的な安定を得ながらリハビリや社会復帰に向けた活動を続けることができます。

失業手当と障害年金は同時受給できる?

失業手当と障害年金の併給は可能です。障害年金は病気やケガで日常生活や就労に支障がある場合に受給できる年金です。一方で、失業手当は、働く意思や能力があり、求職活動を行っているものの仕事に就けない場合に支給されます。これら2つの制度は、受給条件や目的が異なるため、同時に受け取ることができるとされています。

ただし、両方を受給する際には、いくつか注意すべき点があります。特に、労働能力がどの程度認められているかが重要なポイントです。障害年金は障害等級によって支給されるため、障害の重さによっては失業手当の受給が難しい場合もあります。また、失業手当の申請時に、働く意思や能力を確認されるため、障害年金を受給していることが影響することも考慮する必要があります。

失業手当と障害年金の同時受給は問題ないのか

結論から言うと、失業手当と障害年金を同時に受給することは可能です。併給調整の規定がないため、両方の支給要件を満たしていれば問題なく併給が認められます 。ただし、失業手当は働く意思と能力があることが条件であり、障害年金は就労に制約があることが前提となっているため、受給条件の確認や手続きには注意が必要です 。

特に、精神疾患や内部疾患を理由に障害年金を受給している場合、労働能力の判定が難しいケースもあります。失業手当を受け取る際には、労働能力が認められなければならないため、障害の程度が軽度であることが求められる場合もあります 。

併給するためのポイントは労働能力の程度

失業手当と障害年金を併給する際に重要となるのが、労働能力の程度です。失業手当は、働く意思があり、働ける能力があることを前提に支給されます。一方で、障害年金は、障害によって労働能力や日常生活に支障があることを前提としています。そのため、労働能力がどの程度あるのかが併給をスムーズに進めるためのポイントとなります。

失業手当における労働能力の程度は?

失業手当を受給するためには、ハローワークなどで労働能力が認められる必要があります。これは、単に求職活動を行っているだけではなく、実際に就労できる状況にあるかどうかが審査されます。特に、障害年金を受給している場合は、障害の程度によっては「就労可能証明書」を提出する必要があります。この証明書は、医師が就労可能と判断した場合に発行され、ハローワークでの審査に使用されます 。

労働能力が一定以上であると判断されれば、失業手当の受給が可能となります。しかし、労働能力が限定的である場合には、失業手当の受給が難しくなる可能性もあります。そのため、障害年金を受給しながら失業手当を受け取る場合には、労働能力の程度が重要な要素となります。

障害年金における労働能力の程度は?

障害年金は、障害等級に基づいて支給されます。障害等級は、日常生活や労働能力にどれだけ支障があるかによって決まります。例えば、障害年金1級の場合は、日常生活において常に介護が必要な状態が該当します。これに対し、障害年金3級は、ある程度の就労が可能であるが、労働能力が制限されている場合に支給されます 。

障害年金を受給している場合でも、障害等級が軽度であれば、失業手当の受給も可能です。しかし、重度の障害を抱えている場合には、労働能力が極めて限定的であるため、失業手当の受給が難しくなる可能性があります。

労働能力は等級判定に影響を与える?

障害年金の等級判定には、労働能力が大きく影響します。労働能力が著しく低下している場合には、障害等級が高く設定されます。逆に、ある程度の労働能力が認められる場合には、等級が下がることになります 。このため、障害年金と失業手当を同時に受給する場合、労働能力が等級判定に影響を与える可能性が高いです。

例えば、就労可能と判断される場合、障害年金の審査で等級が下がることも考えられます。また、失業手当を受給している間に働ける状況が改善された場合、障害年金の受給額に影響を与えることもあるため、受給者は注意が必要です 。

まとめ:受給要件に当てはまる場合は申請しましょう

失業保険と障害年金の同時受給は、どちらも支給要件を満たしている場合に可能です。失業手当は、働く意思と能力があるものの、仕事が見つからない状況で支給されます。一方で、障害年金は病気や障害によって日常生活や就労に支障がある場合に支給される年金です。これらは併給調整がなく、条件を満たせば問題なく同時に受給できる制度です。

特に、精神疾患や身体的な制約を抱えた方にとって、この2つの制度は経済的な支援を同時に受ける手段となります。ただし、失業手当を受け取るには、求職活動や労働能力の証明が必要となるため、ハローワークでの手続きや医師の「就労可能証明書」などを準備しておくことが重要です。

両方の受給要件に該当している場合は、これらの制度を活用して生活を支えるサポートを受けることができます。経済的な不安を抱えずに、安心して次のステップへ進むためにも、該当する場合は早めに申請を進めましょう。

多摩・八王子障害年金相談センターでは電話やメールで相談いただくことが可能です。障害年金のことでお悩みがあればぜひお気軽にご相談ください。

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小野 勝俊

初めまして、多摩・八王子障害年金相談センターを運営する「多摩ヒューマンサポート社会保険労務士事務所」の代表 小野勝俊と申します。 当事務所に相談することで、お客様の悩みが少しでも解決するよう私が精一杯サポート致します。 障害年金を受給し、新しい未来が築くことができるように一緒に頑張っていきましょう。