「反復性うつ病と診断されたけれど、障害年金の対象になるのだろうか」
「何度も再発を繰り返して働けない状態が続いている」
——そんな不安を抱えている方は少なくありません。
結論から言えば、反復性うつ病でも障害年金を受給できる可能性は十分にあります。ただし、申請にはいくつかの条件があり、書類の書き方ひとつで結果が変わることも珍しくありません。
この記事では、反復性うつ病で障害年金を受給するための3つの条件と、申請の具体的な流れをわかりやすく解説します。「自分も対象になるのか」という疑問を解消し、次の一歩を踏み出すきっかけにしていただければ幸いです。
反復性うつ病とはどのような病気か
反復性うつ病は、うつ状態が繰り返し現れる精神疾患です。一度回復しても再発するリスクが高く、長期にわたって日常生活や仕事に影響を及ぼすことがあります。ここでは、一般的なうつ病との違いや、再発が生活に与える影響について解説します。
うつ病との違いと反復性うつ病の特徴
うつ病が一度のエピソードで回復に向かうケースがあるのに対し、反復性うつ病は症状が寛解と再発を繰り返す点が大きな特徴です。たとえば、数か月間は調子よく過ごせていても、ストレスや環境の変化をきっかけに再び強い抑うつ状態に陥ることがあります。
このパターンが2回以上繰り返される場合に「反復性」と診断されることが一般的です。症状の波があるため、周囲から「良くなったり悪くなったりする人」と見られやすく、本人の辛さが理解されにくい傾向もあります。
再発を繰り返す場合の日常生活への影響
再発を繰り返すと、安定した就労や家事の継続が難しくなるケースが多くみられます。具体的には、調子の良い時期に復職しても、再発によって再び休職や退職を余儀なくされる方もいます。
また、「いつまた悪くなるかわからない」という不安から外出や人付き合いを避けるようになり、社会的な孤立につながることもあります。 こうした生活への影響は、障害年金の認定においても重要な判断材料となります。
反復性うつ病は障害年金の対象になるのか
「精神疾患で障害年金がもらえるのか」と疑問に思う方は多いですが、反復性うつ病も障害年金の対象疾患に含まれます。ここでは、精神疾患における障害年金の基本的な考え方と、反復性うつ病が認定される理由を説明します。
精神疾患としての障害年金の考え方
障害年金は身体障害だけでなく、精神疾患による障害も対象としています。うつ病、双極性障害、統合失調症などと同様に、反復性うつ病も「精神の障害」として認定審査の対象となります。重要なのは病名そのものではなく、「その障害によって日常生活や就労にどの程度の制限があるか」という点です。
症状が重く、一人での生活や仕事が困難な状態であれば、障害年金を受給できる可能性があります。
反復性うつ病が認定対象になる理由
反復性うつ病が認定対象となるのは、再発を繰り返すことで長期的に生活機能が低下するためです。 一時的に回復しても、再発のたびに症状が重くなったり、回復までの期間が長引いたりするケースも珍しくありません。
こうした「症状の波」による不安定さ自体が、日常生活や就労を困難にする要因として評価されます。「今は調子が良いから対象外では」と諦める必要はありません。
反復性うつ病で障害年金を受給するための3つの条件
反復性うつ病で障害年金を受給するには、主に3つの条件を満たす必要があります。初診日の特定・保険料の納付要件・障害状態の認定基準です。 それぞれの条件について詳しく解説します。
初診日が重要になる理由
初診日とは、反復性うつ病の症状で初めて医療機関を受診した日のことです。この日付によって、どの年金制度(国民年金か厚生年金か)から支給されるかが決まり、受給額にも影響します。
たとえば、会社員として厚生年金に加入していた時期に初診日があれば、障害厚生年金の対象となり、受給額が高くなる可能性があります。
初診日の証明ができないと申請自体が難しくなるため、早めにカルテの有無を確認しておくことが大切です。
保険料納付要件の基本
障害年金を受給するには、初診日の前日時点で一定の保険料納付実績が必要です。
具体的には、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、3分の2以上の期間で保険料を納付または免除されていることが求められます。また、直近1年間に未納がなければ要件を満たす特例もあります。
「保険料を払っていなかった時期がある」という方も、まずは年金事務所で納付状況を確認してみてください。
障害状態の認定基準と等級の目安
障害年金の等級は、日常生活や就労にどの程度の制限があるかで判断されます。反復性うつ病の場合、以下のような目安があります。
| 等級 | 状態の目安 |
|---|---|
| 1級 | 日常生活に常時援助が必要で、ほぼ寝たきりに近い状態 |
| 2級 | 日常生活に著しい制限があり、一人での外出や家事が困難 |
| 3級 | 就労に著しい制限があり、フルタイム勤務が難しい(厚生年金のみ) |
症状の重さだけでなく、「どれだけ生活に支障が出ているか」が重視される点を理解しておきましょう。
反復性うつ病の障害年金申請の流れ
障害年金の申請は、必要書類を揃えて年金事務所や市区町村の窓口に提出する形で行います。ここでは、申請に必要な書類と、診断書・申立書を作成する際の注意点を解説します。
申請に必要な主な書類
障害年金の申請には、主に以下の書類が必要です。
- 診断書:主治医が作成する、障害の状態を証明する書類
- 病歴・就労状況等申立書:発症から現在までの経過を本人が記載する書類
- 受診状況等証明書:初診日を証明するための書類
- 年金請求書、戸籍謄本、通帳のコピーなど
書類の不備や記載内容の不足があると審査に時間がかかったり、不支給になったりする可能性があるため、事前に必要書類を確認し、漏れなく準備することが重要です。
診断書作成時の注意点
診断書は審査結果を大きく左右する書類です。日常生活の困難さや就労への影響が具体的に記載されているかを確認しましょう。
たとえば、「調子の良い日」の状態だけでなく、「調子の悪い日」にどのような支障があるかも医師に伝えることが大切です。
診察時間が短く、症状を十分に伝えられていない場合は、メモを用意して渡すのも一つの方法です。
病歴・就労状況等申立書のポイント
病歴・就労状況等申立書は、発症から現在までの経過を時系列で記載する書類です。
診断書だけでは伝わりにくい「症状の波」や「日常生活での困りごと」を補足する役割があります。具体的には、「再発時は一日中起き上がれない」「家事は家族に頼っている」など、生活の実態がわかる記述を心がけましょう。 抽象的な表現ではなく、具体的なエピソードを盛り込むことで説得力が増します。
反復性うつ病でよくある不支給・失敗例
反復性うつ病で障害年金を申請しても、残念ながら不支給となるケースがあります。よくある失敗例を知っておくことで、同じ失敗を避けることができます。
症状の波が正しく伝わらないケース
反復性うつ病は「調子の良い時期」と「悪い時期」の差が大きいため、診察日がたまたま調子の良い日だと、症状が軽く見られてしまうことがあります。診断書に「就労可能」「日常生活に支障なし」と記載されてしまうと、実態とかけ離れた評価になりかねません。 普段の辛さや困りごとを医師に正確に伝えることが重要です。
初診日の証明ができないケース
初診日が10年以上前で、当時のカルテが廃棄されているというケースは少なくありません。カルテの保存期間は原則5年のため、古い初診日を証明するのが難しくなることがあります。この場合、当時の診察券や領収書、第三者の証言などで代替できる場合もありますが、証明のハードルは高くなります。 早めに初診の医療機関に問い合わせておくことが大切です。
障害年金は専門家に相談した方がよい理由
障害年金の申請は自分で行うことも可能ですが、専門家に相談することで成功率が高まるケースがあります。ここでは、自分で申請するリスクと、相談先を選ぶポイントを解説します。
自分で申請するリスク
自分で申請する場合、書類の書き方や必要な情報の伝え方がわからず、本来受給できるはずの年金が不支給になるリスクがあります。
特に反復性うつ病のように症状に波がある疾患は、診断書や申立書の記載内容によって結果が大きく変わります。一度不支給になると、再申請や審査請求には時間と労力がかかります。
| 項目 | 自分で申請 | 専門家に相談 |
|---|---|---|
| 費用 | 無料 | 相談料・成功報酬など |
| 書類作成 | すべて自分で対応 | サポートを受けられる |
| 成功率 | 書類不備で不支給のリスクあり | 適切な書類作成で成功率向上 |
| 精神的負担 | 大きい | 軽減できる |
障害年金に強い相談先を選ぶポイント
相談先を選ぶ際は、精神疾患の障害年金申請に実績があるかどうかを確認しましょう。
社会保険労務士の中でも、障害年金を専門に扱う事務所は申請のポイントを熟知しています。初回相談が無料のところも多いため、まずは話を聞いてみることをおすすめします。地域に密着した障害年金専門の相談センターを活用するのも一つの方法です。
反復性うつ病で悩んでいる方へ
反復性うつ病による辛さを抱えながら、障害年金の申請を考えるのは大きな決断です。一人で悩まず、まずは専門家に相談することで、次の一歩が見えてくることがあります。
早めに相談することで得られる安心
「自分が対象になるかわからない」
「書類の書き方がわからない」
——そんな不安を抱えたまま時間が過ぎてしまうと、初診日の証明が難しくなったり、受給できたはずの年金を逃してしまうこともあります。早めに相談することで、今の状況で何ができるかが明確になり、精神的な負担も軽くなります。
多摩・八王子障害年金相談センターでは電話やメールで相談いただくことが可能です。 障害年金のことでお悩みがあればぜひお気軽にご相談ください。
小野 勝俊
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