障害年金は、病気やけがで働けなくなった場合に、生活を支えるための重要な支援制度です。しかし、障害年金を実際にもらえる確率はどの程度なのか、多くの人が疑問に思うところです。この記事では、障害年金の受給条件や申請プロセス、そして実際に受給できる確率について詳しく解説します。これにより、適切な準備を行い、確実に支援を受けられるようになるでしょう。
障害年金の請求は誰でも出来る? もらえる確率はどれくらい?
障害年金は、病気やけがで日常生活や仕事に制限がある場合に支給される大切な制度です。しかし、誰でも簡単に受給できるわけではありません。この記事では、障害年金の請求方法と実際に受給できる確率について詳しく解説します。
障害年金を請求するには、まず受給要件を満たす必要があります。これには以下のポイントが含まれます。
- 初診日の確認:障害の原因となった病気やけがの初診日が、国民年金や厚生年金の加入期間中であることが必要です。
- 障害状態の認定:障害の程度が年金支給基準に該当することが必要です。
障害年金の請求が通る確率は高くはないため初回の請求が非常に重要であり、適切な書類の準備や正確な情報の提供が求められます。
審査請求や再審査請求を行うことで、再度のチャンスはありますが、これも確率は低いため、専門家のサポートを受けることが望ましいです。
障害年金を受給できれば、年間で200万円以上の支給を受ける可能性もあります。このためにも、正しい手続きを踏むことが何より重要です。
障害年金の金額はいくら?障害等級や公的年金の種類ごとに計算式が異なる
障害年金の受給金額は、障害等級や加入している公的年金の種類によって異なります。具体的な計算方法や受給金額について詳しく見ていきましょう。
障害等級による金額の違い
障害年金は、障害の程度に応じて1級から3級に分類されます。令和6年度の等級ごとの受給金額の計算は以下の通りです。
- 1級: 基本年金額に改定率を乗じた金額に、子の加算額が加わります。具体的には、「1,020,000円+ 子の加算額」です。
- 2級: 基本年金額に改定率を乗じた金額に、子の加算額が加わります。具体的には、「816,000円+ 子の加算額」です。
- 3級: 3級の場合は障害手当金が支給され、その計算方法は異なります。
※報酬比例部分の計算において、厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は300月(25年)とみるとして計算し、最低保証額として令和6年度は612,000円支給されます。
公的年金の種類による違い
障害年金は国民年金と厚生年金の2種類があります。それぞれの計算方法は次の通りです。
- 国民年金: 障害基礎年金として支給され、固定額に基づいて計算されます。障害等級に応じて、1級と2級の受給額が定められています。
- 厚生年金: 報酬比例部分が加算され、計算式が異なります。例えば、障害厚生年金額は「報酬比例部分 + 基礎年金部分」で算出されます。
具体例と注意点
障害年金の具体的な金額は、以下の要素によっても変動します。
- 初診日に加入していた年金の種類
- 障害状態の程度
- 加入期間や保険料納付状況
受給額の例として、年間約200万円以上の支給を受けるケースもあります。ただし、申請の際には細かな条件を満たす必要があり、正確な書類提出が求められます。
障害年金の申請は複雑であり、専門家のサポートを受けることで確実な受給が可能となります。適切な情報を収集し、しっかりと準備することが重要です。
障害年金の審査で不合格になる可能性
障害年金は、生活を支える重要な制度ですが、その審査で不合格になる可能性もあります。以下では、障害年金の審査で不合格になる確率やその理由について詳しく解説します。
審査での不合格率
障害年金の審査で不合格になるケースは決して少なくありません。
厚生労働省の統計データによると、年間の障害基礎年金の申請件数は約111,360件で、そのうち不支給となったケースも報告されています。このデータから、申請が必ずしも受理されるわけではなく、一定の確率で不支給となることが分かります。
更新審査の不合格率
障害年金は定期的に更新審査が行われますが、この更新審査でも不合格となる場合があります。令和4年度のデータによると、更新の申請件数326,157件のうち、5,649件が支給停止となっており、その確率は約1.7%です。
不合格の理由
障害年金の審査で不合格となる主な理由は以下の通りです。
- 初診日の証明不足:障害の原因となった病気やけがの初診日が確認できない場合、審査に通らないことがあります。
- 障害状態の認定基準未達:提出された医療証明書が、障害年金の支給基準を満たしていない場合です。
- 書類の不備:申請書類の記載漏れや必要な書類の提出不足がある場合も不合格の原因となります。
- 保険料納付要件不足:保険料納付要件の不足も不合格になる要因です。障害年金を受給するためには、一定の保険料を納付していることが必要条件となります。
審査請求と再審査請求
不支給となった場合でも、審査請求や再審査請求を行うことができます。ただし、これらの請求が通る確率は約2%程度と非常に低いため、専門家の助言を受けることが重要です。
障害年金の申請は非常に重要であり、正確な情報と適切な書類の準備が求められます。専門家のサポートを受けることで、審査に通る確率を高めることが可能です。
審査に落ちることとは?
障害年金の審査におちるという事態は、多くの申請者にとって大きな不安要素です。まずは、審査におちる可能性について詳しく見ていきましょう。
障害種別ごとの不支給率
障害種別ごとの不支給率を見ると、精神障害や知的障害の不支給率は他の障害種別よりも高い傾向にあります。例えば、精神障害・知的障害の申請件数4,497件中、不支給件数は高い割合を占めています。
不支給となった場合、理由を教えてもらえる?
審査で不支給となった場合、その理由を詳細に知ることができます。審査結果に納得がいかない場合は、審査請求や再審査請求を行うことが可能です。
不支給の理由を知る方法:障害年金センターへの問い合わせ
不支給の理由を知るためには、障害年金センターに問い合わせることが必要です。電話やメールでの問い合わせが一般的であり、具体的な理由を教えてもらえます。
個人情報の開示を求める手順
個人情報の開示を求める手順は以下の通りです。
- 障害年金センターに連絡し、必要な書類を揃える。
- 開示請求書を提出する。
- 開示結果を受け取り、不支給理由を確認する。
審査前に不支給理由を確認する重要性
審査前に不支給理由を確認することは非常に重要です。これにより、次回の申請に向けて適切な準備ができ、不支給のリスクを減らすことができます。
障害年金申請で審査に落ちるリスクが高い場合、専門家に相談するのが良い
審査に落ちるリスクが高い場合、障害年金専門の社労士に相談することをお勧めします。専門家のサポートを受けることで、正確な書類作成や適切な対応が可能となり、受給の確率を高めることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?障害年金の申請は、多くの人々にとって重要な手続きであり、その受給には一定の条件と厳しい審査が伴いますが、適切な準備と専門家のサポートを受けることで、受給の可能性を高めることができます。
また、不支給となった場合でも、審査請求や再審査請求の方法があります。障害年金の受給を希望する方は、しっかりと準備をし、必要な情報を集めることが成功への鍵です。
なお、多摩・八王子障害年金相談センターでは電話やメールで相談いただくことが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
小野 勝俊
最新記事 by 小野 勝俊 (全て見る)
- 【2024年最新】失業保険と障害年金は同時に受給できる?併給の条件や申請のポイントについて徹底解説! - 2024年10月01日
- 夏期休暇のお知らせ - 2024年07月15日
- 障害年金がもらえる確率は?誰でももらえるの?審査に落ちる原因など徹底解説! - 2024年06月29日
- ゴールデンウィーク期間中の営業について - 2024年04月05日
- 生活保護を受けながら障害年金は受給できる?受給資格や申請のポイントについて解説! - 2024年03月27日